三陸鉄道が『2024年異常時運転取扱訓練会(実車訓練)』を実施

6月25日(火)、三陸鉄道で『2024年異常時運転取扱訓練会(実車訓練)』が行われました。 

 

訓練は、「岩手県沖を震源とする震度6強の地震が発生」を想定し、以下の順序でおこなわれました。

〇運行本部の地震警報装置が40ガル以上を記録したため運転指令は、直ちに全列車に対し停止するよう指示

〇大津波警報発令

〇運転指令が、緊急誘導箇所(津波襲来が予想され、避難誘導が必要な個所)に停車している列車に、緊急避難場所(津波の危険から身を守るために一時的に非難する場所)に避難するよう指示

〇列車の運転士は、線路の状況を確認し、列車の走行は可能と判断し、乗客乗車のまま15㎞/h以下の速度で走行して、緊急避難場所に避難完了。

〇運転指令は、大津波警報解除まで、そのまま待機するよう運転士に指示

〇翌日、大津波警報解除

〇運転指令は、運転士に対し、指定避難所(災害の危険性がなくなるまで一定期間滞在する場所)である「金浜農漁村センター」に避難するよう指示

〇運転士は列車から乗客を降車させ、指定避難所に避難誘導

 

この訓練には、三陸鉄道の社員の他、東北鉄道協会に加盟する5社(八戸臨海鉄道、IGRいわて銀河鉄道、岩手開発鉄道、仙台空港鉄道及び会津鉄道)の13名や沿線企業の社員も参加し、真剣に取り組まれました。

三陸鉄道では、この日の訓練以降、更に6月27日(木)及び7月3日(水)にも同訓練を実施して、社員全員を参加させることとしています。 

 

三陸鉄道は、2011311日の東日本大震災や2019年の台風19号によって甚大な被害を受けましたが、乗客・乗員に死傷者は発生していません。これは、単に「幸運」であったのではなく、乗客の安全・安心輸送のため、このような「訓練」を積み重ね、意識を高め、備えているからに他ならないことを実感しました。

 

 

津軽石駅では、「津波浸水深ここまで」の標識が、あの日を忘れるなと警告していました。